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久保田裕の著作権コラム

2012/05/14コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCSについて)

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私が専務理事を務める社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、政府の公益法人改革によって4月1日付で正式名称が変わり、一般社団法人となりました。これにあわせて内部体制などの改革も行ったのですが、業務内容に変わりはありません。この機会に改めてACCSの仕事について説明します。

ACCSは著作権が正しく守られる社会の実現のため、普及・啓発を行っている団体ですが、会員企業が著作権侵害の被害を受けた場合に、刑事手続きへの支援や協力を行い、同種の侵害を抑止するため、事案の内容についてマスメディアやホームページを通じて広く提供しています。この3月までの1年間で刑事摘発された事件は、ACCSが発表した件数で48件。昨年12月には警察庁による全国47都道府県で一斉取締りも行われており、ACCSが支援した著作権侵害事案について摘発または送検された人数は60人を超えています。

個々の事件の詳しい内容は、ACCSのWebサイトの著作権侵害事件ページ(http://www2.accsjp.or.jp/criminal/)を見てください。最近の事案で目立つのは、ファイル共有ソフト「Share」を通じてアニメや漫画、ゲームソフトをアップロード、さらに、オークションを通じてアニメやCADソフト、カーナビソフトの海賊版の販売といったものです。

もっと詳しく見ていくと、「海賊版ビジネスソフトの業務使用」や、「電子書籍の無断ダウンロード販売」という事件もあります。特定のジャンルに限らず、デジタル化された著作物は今や何でも著作権侵害の対象になっています。

摘発される人も、学生や会社員、企業経営者に公務員などさまざまです。かつて、著作権侵害で摘発されたのは、それを生業とする業者だったり暴力団関係者だったりしたものですが、今では気軽にコピーやアップロードができるためか、「プロ」ではない一般の人が摘発される事件が頻発しているのです。

ACCSが誕生したのは27年前の1985年。今の状況に至るまでは、事件の性質など、さまざまな変遷がありました。次回は、少し歴史的なことを書こうと思います。著作権法の支分権がなぜ今のようなものになったか、理解する助けになるかも知れません。

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