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久保田裕の著作権コラム

2012/11/16著作権法の改正について 国立国会図書館について

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2012年に成立した著作権法の改正のうち、大きな議論になったいわゆる「ダウンロード罰則化」は10月から施行されましたが、2013年1月から施行される改正もあります。その一つに、「国立国会図書館による図書館資料の自動公衆送信等に係る規定の整備」(第31条第3項)があります。

この改正によって、国会図書館は、市場では入手できなくなった絶版資料に限って、国会図書館がデジタル化したデータを地方の公共図書館や大学図書館などに対して送信できるようになり、このデータを受け取った公共図書館などは、図書館の利用者に対して複製して1人につき1部を提供することができるようになります。

この改正の理由を、文化庁ではQ&A( http://www.bunka.go.jp/chosakuken/24_houkaisei.html )の中で、次のように説明しています。 <デジタル化・ネットワーク化の進展により情報アクセスの利便性が向上する中,広く国民が出版物にアクセスできる環境を整備するためには,納本制度を有し,所蔵資料の電子化を積極的に進めている国立国会図書館の電子化された資料を有効活用し,インターネットにより広く国民が利用できるようにすることが重要です。

いわゆる「ダウンロード罰則化」などの改正によって、著作権法について、権利者の権利を強化する改正ばかりが行われているような印象が持たれがちですが、著作物の利用について、逆に、このような権利の制限が行われている方向での改正もあることを、ぜひ知っておいて欲しいと思います。

さて、いよいよ11月18日に初級・上級の公開試験が実施されます。これまでの学習の成果を発揮する機会です。今は試験に向けて最終チェックの段階だと思いますが、体調管理にも気をつけてがんばってください。

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