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久保田裕の著作権コラム

2013/01/16委員長コラム Vol.16

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著作権法の制限規定と言えば、違法ダウンロードの刑事罰化の話題もあって私的使用目的の複製(第30条)を思い浮かべる方が多いかも知れませんが、教育機関での複製(第35条)や、引用(第32条)などの規定もあります。 第37条では、視覚障がい者の著作物の利用について定められています。

私は、特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)の理事も務めていて、この第37条には思い入れがあります。 全視情協とは、点字図書館や点訳・音訳ボランティア団体などから構成されている団体です。

2006年の厚生労働省の調査によると、全国に視覚障がい者は、31万人以上いるそうです。 弱視や識字障害も含め、「視覚の障害によって生活に何らかの支障のある人」は約146万人と言われています。

こうした方々が著作物に触れられるよう、点字での複製や公衆送信について規定したのが第37条です。 最近では2009年、全視情協の活動もあり第37条が改正されています。 これによって、視覚障がい者の情報アクセスの手段が大きく広がりました。 次回、少しこの点を解説したいと思います。

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