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久保田裕の著作権コラム

2013/07/24委員長コラム Vol.22

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著作権法では、著作物を創作した者が著作者になります(著作権法2条1項2号)。この原則に当てはめると、仕事であっても個人が創作したレポートやプレゼンシート、写真などの著作者は創作した個人になると思いがちですが、そうとは限りません。著作権法15条に定める一定の条件のもとに、著作物を創作した個人ではなく、その個人が属する会社などを著作者とする場合があります。これを「法人著作」とか「職務著作」といいます。

「法人著作」が認められるためには、次の条件を全て満たしている必要があります。

1.その著作物を作る企画を立てるのが国や会社などの法人であること。
2.法人等の業務に従事する者の創作によること。
3.職務上作成されること。
4.公表するときにその法人の名義で公表されること(プログラムの著作物の場合、そもそも公表が予定されていないことが少なくないことから、この条件は不要となっています)。
5.契約や就業規則で社員を著作者とする定めがないこと。

重要なポイントは、「仕事の発意が法人だったかどうか」「法人の業務に従事する者が創作したかどうか」「職務として創作したのかどうか」です。

法人著作の条件は、写真や絵、イラスト、文章、プログラムなど全ての著作物に該当します。つまり、業務レポートなど、会社の中で作成される著作物は、ほとんどが法人著作だと考えていいでしょう。自分が作成したレポートだから、自分が撮影した写真だから、といって、個人のWebページで公表すると、会社の持つ著作権を侵害することになってしまいます。この点、注意が必要です。

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