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久保田裕の著作権コラム

2014/01/13委員長コラム Vol.23

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ご存じの通り、著作権は、プロが生み出した作品だけを保護するものではありません。ブログの文章、デジカメ写真、音楽などは、それが誰が創作したものであっても著作権は発生します。昨今、著作物がデジタルデータで生み出されるようになり、また、誰もが著作物を簡単に創作できるようになって、ネットに流通している著作物の著作者が誰なのか分かりにくくなりました。

もちろん、誰が生み出した著作物であっても、それを勝手にコピーして利用したりネットにアップロードすれば、著作権を侵害することになります。コピーしたりアップロードして使いたければ、著作権者の許諾を得なければなりません。ところが、許諾を得ようにも、誰が著作権者か分からず許諾がとれないという問題が、これから頻発することが予想されています。

ツイッターやFacebookにアップロードされた写真は、リツイートやシェアされただけであればオリジナルは特定できるでしょう。でも、リツイートやシェアの過程で、誰かが自分のものとしてアップロードし直してしまえば(その行為は違法だとしても)、その著作物を使おうとする人から見れば、どちらがオリジナルであるかを判断することは難しくなります。

一方でこのことは、著作者が、勝手に使われた著作物について権利主張することが難しくなることをも意味します。というのも、例えばネットにアップロードした写真の著作権が自分にあることを証明することもまた、とても難しいからです。

著作権法では第14条で著作者の推定規定を設けており、著作物の原作品に著作者名が表示されていれば、著作者であると推定されるとしています。であれば、著作者が権利主張するためには、まずは著作者表示が必須ということになります。ただ、デジタルであるために加工や改変が簡単にできることを考えると、著作者であることを表示し推定されるとしても、当該表示自体が改変されてしまう問題は消えません。

この問題は、どうすれば解決できるでしょうか。(続く)

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