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久保田裕の著作権コラム

2014/03/17委員長コラム Vol.25

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前々回と前回、著作物がネットで流通する現代にあっては、著作権を主張するための著作権表記や技術が必要だということを書きました。ネット上に流通する著作物の著作権が自分にあることを証明する技術としては、前回書いたような著作物に著作権者情報や使用条件などを埋め込む方法もありますが、タイムスタンプを使う方法も考えられます。

タイムスタンプとは、作成したファイルに電子的な刻印を押すことで、そのファイルがいつ作成されたかということを証明する技術です。タイムスタンプが押された時点でのファイルの内容が確定されるので、その時点以降で内容に更新や改竄がないことも証明することにもなります。国内では、ACCSの会員企業でもあるメキキ・クリエイツ株式会社などがサービスを提供しています。

この技術は、もともと特許の発明について、日時であったり原本であることを証明することが目的です。実際、企業で開発途中のアイデアやデザインを記したファイルにタイムスタンプを押しておけば、特許や意匠について、先使用権を証明するために使うこともできると、特許庁のガイドラインに記されています。ちなみに先使用権とは、他者が特許を出願しても、その発明を既に使っていたり準備をしていれば、他者の特許権成立に関わらず、継続してその発明を利用できる権利のことです。

特許や意匠の分野で自社の権利を守るために使われている技術ですが、創作した時点でタイムスタンプを押しておけば、日時と内容、さらに内容が改ざんされていないことを証明することができるのですから、自分が著作者であることを証明するためにも使えます。

サービスの利用は有料ですが、企業で自社コンテンツの権利保護を行いたい場合などには有用でしょう。企業などで著作権を扱う場合は、法的な知識はもちろん、こうした技術にも目配りをすることで、総合的な対策を心がけて欲しいと思います。

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