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久保田裕の著作権コラム

2015/04/06委員長コラム Vol.31

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昨年9月のコラムで、論文のコピペ問題を取り上げましたが、今年3月には東京大学が、「期末の課題として提出されたあるレポートの文章の約75%が、インターネット上に公開されている文章からの引き写し」であったことをWebサイトに掲載して話題になりました。STAP細胞論文で注目されたコピペ問題は今も教育現場で波紋を広げています。

私の所属するACCSの会員である株式会社アンクが販売するコピペ判定ソフト「コピペルナー」を導入する大学も急増しているようです。指導教官がレポートのコピペ度を判定するために利用されていると思われますが、こうしたソフトを導入していることで抑止効果もあるようです。

レポートでのコピペは、昨年のコラムで指摘したとおり、単なる著作権の問題とは異なります。著作物ではない実験データや、先輩のレポートをコピーする上で許諾を得ていれば著作権侵害には当たりません。つまり、こうしたコピペ判定ソフトは、著作権侵害判定ソフトではないのです。このソフトウェアを用いることで具体的にコピペ箇所を指摘することができ、その上で創作性のある文章、図等の正しい「引用」の仕方について教官は指導することができます。その結果、論文の質が高められ、学生の学力をアップさせることにつながるのです。

もちろん、教育を目的に作成されるレポートや論文では、著作者の許可を得たからと言って他人の文章をコピペすることは問題があります。自分で考え、自分だけの論理を展開してこそ、レポートです。こうしたコピペ判定ソフトを使う場合は、まさに学生達のレポートのオリジナル度を上げようと前向きな目的を意識して使ってほしいと思います。新学期が始まった4月、学生のみなさんはぜひ、オリジナルを意識して勉学に取り組んでください。

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