2018/04/03委員長コラム Vol.40
満を持して今年2月から教育著作権検定が始まりました。かねてより、著作権の重要性は教育現場にこそ必要だと主張してきたのですが、そのためにまず、児童、生徒、学生たちを教える先生方に正しい知識を持ってもらうことを目的に創設した検定制度です。現役の先生はもちろん、教師を目指す大学生にも受検を通して勉強してもらい、著作権に関する正しい知識を得て欲しいと考えています。先日、大阪、京都、奈良の3教育大学で教員志望の学生向け特別講義を行い、具体的な模擬問題にチャレンジしてもらいました。
折しも先日、著作権法の改正案が閣議決定されました。今国会で可決されれば来年1月1日から施行されます。この改正案には、教育機関における権利制限規定(第35条)の改正も含まれており、教育機関の方は注目しておいていただきたいと思っています。
ちなみに、第35条は、教育目的で、教育を担任する者と授業を受ける者なら著作権者の許可なく公表された著作物を複製できることが定められた制限規定です。今回の改正案では、ここに新たに、「ICTの活用により教育の質の向上等を図るため、学校等の授業や予習・復習用に、教師が他人の著作物を用いて作成した教材をネットワークを通じて生徒の端末に送信する行為等について、許諾なく行えるようにする」規定が加わります。
教育現場において、今や著作権を気にしない人はいないでしょう。ただ、正しい知識がないために、著作物の利用について萎縮してしまっている場合も多いのではないでしょうか。本当は利用することに何ら問題ないのに、よく分からないから止めておこうといった判断があるとすれば、児童、生徒たちのためにもよくありません。逆に、慣習的に行ってきたことが実は違法だということがあるかも知れません。
著作物を正しく利用するとともに、児童、生徒たちに正しい著作権の使い方や、自分が持つ権利について教えることは、これからの時代には必須だと思います。とりわけ、私は、児童、生徒たちが著作者であること。そして「創作」とは何かを考えること。それを実践することは教育基本法の原点とも深く関わっていることを知ってもらいたいと思っています。
ぜひ、教育著作権検定の受検を通して、著作権に関する正しい知識を身につけて下さい。
電子パンフレットを
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サンプル問題を
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