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リレーコラム

北出 亮

コラム執筆者:北出 亮

コミュニケーション能力認定委員会 委員
前 拓殖大学商学部 教授
日本ビジネスコミュニケーション学会 理事長
光明塾塾長
ふるさとテレビ学術顧問
日本ビジネスインテリジェンス協会顧問
元 日本コミュニケーション学会 会長
元 日米コミュニケーション学会 会長(初代)
早稲田大学研究機構招聘研究員

主な著書

ビジネス成功の条件はコミュニケーション能力

経団連が実施する新卒採用に関するアンケート調査では、企業が採用選考にあたって重視した要素を25項目から5つ回答する設問では、2004年から2013年まで10年間「コミュニケーション能力」(86.6%)が連続一位であった。以下、主体性(64.9%)、チャレンジ精神(54%)、協調性(51.8%)、誠実性(41%)であった。(%は2013年度)

コミュニケーション能力は、他者と上手にコミュニケーションを図ることができる能力であるが、その内容については、「話す・聞く・読む・書く」の言葉や、プレゼン・ディベート・アサーション(適切な自己主張法)などのコミュニケーションの「スキル」を意味する場合もある。また厚生労働省の就職基礎能力として「意思疎通能力」「協調性」「自己表現能力」や経済産業省の社会人基礎力の定義「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力(コミュニケーション能力)」という位置づけもある。

アメリカのある経済誌が大企業の会長、社長、副社長1,500人に「成功するのに一番役立ったのは何か」という調査をおこなったところ、72%が「コミュニケーションに関するスキルの習得」だったとのデータもあるように、ビジネス成功の条件といえるかもしれない。日本ではアメリカのような言葉社会ではないのでディベートのスキルが効果的とは言にくいが、グローバル化が進む中で、コミュニケーション能力は人間関係や仕事に役立つ能力と言えよう。

私が5年前に実施した学生200人の「社会で必要なコミュニケーション能力調査」(選択式回答)では、1位「自分の意思や考えを適切に伝える能力」、2位「話す聞く能力」、3位「交渉する能力」、4位「人前で発表する能力」、5位「話や文章を簡潔にまとめて述べる能力」であった。能力不足で困った能力としては「人前で発表する能力」、「自分の意思や考えを適切に伝える能力」、「話や文章を簡潔にまとめて述べる能力」との回答が多かった。それで当時の3年ゼミでは、1分スピーチや10秒コメントを毎回実施して全員に一人ずつ話させることにした。1年間、実施後就職活動に入り、4年の女子学生から「1分スピーチ訓練のおかげで日本の大手航空会社の内定を取れた」と報告があった。コミュニケーション検定でも上級の面接試験では1分間で選択課題について説明する試験があり、ゼミでは初級とともに毎年受験し就活訓練に役立ててきた。

コミュニケーション能力は「他者と上手にコミュニケーションを図ることができる能力」 であるが、日本人の場合、「他者」は、すでに顔なじみの職場の上司、部下、同僚や友人、知人、家族を想定していることが多い。しかし、これは誤解である。コミュニケーション能力が対象とする「他者」は有縁の知人でも無縁の他者でも差別なく交流を図るのである。欧米人、中国人、インド人は知らない人でも声をかけビジネス人脈を広げコネを作るのが普通である。特にコネ社会の中国人は、6割が縁を信じ、残りの4割が他者との縁、コネは自分で作れると信じているとの調査もある。コミュニケーション能力は新たな人脈やコネ作りにも役立ち、将来のビジネス成功につながる能力なので、しっかり身につけよう。

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