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Case-29

専門学校 岡山情報ビジネス学院
ゲームクリエイター学科 ゲームプログラマー学科 学科長
松浦 登美子 様

専門学校岡山情報ビジネス学院は2020年で創立35周年を迎え、11,000人を超える人材を輩出している岡山県屈指の総合専門学校です。14学科の専門課程を持ち、実社会で即戦力となるスペシャリストの養成に取り組まれております。今回はゲームクリエイター学科、ゲームプログラマー学科の学科長である松浦 登美子様に、「ビジネス著作権検定」のご指導に関してお話しを伺いました。

ビジネス著作権検定にお取組みをいただいている背景をお聞かせください。

始まりから話すと...実は、私が前職でWebクリエイターとして活動をしていた頃に遡ります。
当時、「お城の写真をWebページに使用したい」というクライアントからの要望がありました。しかし、ディレクション側もクリエイター側も、スタッフは誰も文化財や町の写真の利用・規約に関する知識が無かったのです。依頼のケースに当てはめたときの写真利用規約や著作権法上の制約などを必死に調べました。ようやく問題のないことを確認でき、クライアントの要望を叶えることはできたのですが、その経験をしたとき強く「著作権の知識が必要だ」と感じました。
スタッフの中にも全く権利関係の知識が浸透していない現実を知り、「この現状を変えるには次世代の育成の段階から著作権を認識させないと、業界が変わらない」と思い、現職で著作権教育に取り組んでおります。

実際に著作権の指導をされてみていかがでしょうか。

著作権の指導は絶対に必要だと感じました!私が在籍している学科も関係しますが、日本のアニメ・マンガ・ゲームといったコンテンツ文化やサブカルチャーの発信を考えたとき、権利関係の知識は切っても切り離せないものだからです。
実際に授業の中でゲームの企画書やプログラムの制作をすることがあるのですが、やはり学生は自身のリスペクトする作風やキャラクター、システムを「そのまま」使おうとすることがあります。当然、著作権法上はよろしくないので差し止めをするのですが、それに加え「自身の作品」として本当に世に放つことができるのか、オリジナル(創作)の観点を問うように指導することも多々あります。
著作権を学ぶことが自身の作品や、その文化を形作る創作の視点を持つことに繋がり、非常に意味のある指導だと感じました。
また、意外にも、著作権を学んだあとの学生は、今までに無かった視点を得たようで皆楽しそうでした。

学生さんが学習を楽しいというのは嬉しいですね。意欲の高まりもあったのでしょうか。

実際に学生から挙がった声では次の意見がありました。「ネットから画像を拾うとき、利用規約を見るようになった。」「著作権を知ることができ楽しかった。知らなかったことを知ることができた。」と、非常に前向きでした。学びによって学生自身の意識だけでなく、行動も変えていくことができたのは大きな成果だと思います。
私達のようなゲーム系学科では、一般に、ゲーム会社でのインターンシップなどで企画書を作る活動も行います。その中で、過去には企画書に使用する画像やキャラクターの素材をネットから拾って企画を仕上げる学生もいました。企業側から学生に権利侵害に当たることを指摘しても、学生は中々理解ができていませんでした。
今では、著作権教育を行ったことにより、上述のような問題は発生しておらず、企業との連携も上手く進んでいます。著作権に触れることを通じて、まねる段階から新しく作り出す段階に、それこそ「オリジナリティ」がどこに生まれるかを授業で教えることが、世の作品がどのように生まれているかを学ぶことにも繋がります。この企業様からのご指摘も、学生に気づきを与える有難いものでした。

実際に行動や意識が変わったことは素晴らしいですね。検定にはどのように取り組んでいますか?

何よりもクリエイターとしての矜持を持つことと、ゲーム業界への就職を意識づけることに著作権の指導は役立っています。当校では「ビジネス著作権検定 Basic」の授業を、座学12時間と検定対策3時間の計15時間で行います。全員が合格することを目標として、特に具体的なゲーム会社への就職を希望する学生については初級取得まで取り組ませています。クリエイターになる人もそうでない人も、コンテンツに触れることが絶対の世の中になっていると学生にも伝え、受験の意欲を高めています。

企業様からのお声はいかがでしょうか。

先ほどのインターンシップでの話に加え、日々の企業連携授業やその他の関わりの中でも、著作権を意識していることが企業様にプラスの印象を与えます。例えば、ゲーム開発系の企業様から制作に関する取材をいただく際にも、紹介するゲームコンテンツはもちろん、取材時の写真撮影での写り込みや肖像権等に関しても問題がないか、学生自らが意識するようになりました。有名なキャラクターが堂々と写り込んでしまったとき、場合によっては「故意」と受け取られることもあります。事前にリスクをチェックし防止する意識が働くことで、企業様にもご迷惑をおかけせず、好意的なご意見をいただくことができました。
このように、正しい知識と行動を心がけないと、協力をいただく企業様にもご迷惑がかかることも考えられます。社会に出て働くようになったら、自身の責任だけではなく会社の責任に発展することもあるでしょう。入学時点から、著作権の意識と合わせてクリエイターとして働く将来像を意識させることが、制作の授業や企業連携の授業にも効果を発揮していると実感します。

ありがとうございます。最後に、これから著作権の学習に取り組もうとされる方々に対して、メッセージをお願いいたします。

著作権の知識は今の時代に無くてはならない知識です。「with コロナ」としてリモート・オンラインでの活動が一般化している中、クリエイターのみならず一般の方にも必要な知識となっています。
YouTubeで動画をアップ、Instagramで写真をアップ...日々皆さんがやっていることで、権利侵害に当たることも起きています。中には、善意から行った情報の共有が、権利侵害に抵触してしまうケースもあるでしょう。知らなかったではすまされないからこそ、まずは著作権に関する正しい知識を持ってもらいたいと思います。
著作権は行為を禁止するための法律ではなく、お互いが快適にハッピーに、安心してコンテンツを提供することと利用することを後押しする法律です。今後、より住みよい社会を築くためにも、著作権教育が広がっていくことを願います。

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