京都教育大学 教育学部 社会科学科
法律学 講師 比良 友佳理 様
このことについては日々考えてさせられています。大きくは2点あります。
一つ目は、教員は様々な職業の中でも、「著作物」を扱う場面が非常に多い職業なので、学ぶ必要があります。
実際、論文や授業で使う教材を作成する際、他人の著作物を利用する場面が多くあります。しかしながら、正しい方法で利用できているか不安を覚えている教員は少なくないように感じます。
例えば、「制限規定」を盾に、「教育に関係していればなんでも出来る。」といった認識を持っている方や、逆に、法律に抵触しないよう「委縮」をしてしまい、本来は問題なく利用できるのに、あえて利用しないといった状況を耳にします。
双方とも、著作権を知れば、正しい方法で安心して良い教材や論文が作成できるはずです。
二つ目は、教員は、子供達に「著作権」を教えていく担い手になることが期待されています。デジタル社会の現代では、誰もが簡単に作成したコンテンツを発信し、また入手することが出来ます。現代の子供たちには、作成されたコンテンツに対する価値とその取扱いのルールを早い段階からしっかり伝える必要があり、そのためには教員が正しい知識を習得し、教育していくことが今後とても大切なことだと思います。
なるべく法学部での学びと差をつけないよう心掛けています。著作権をわかりやすく理解してもらうために、モラルの観点から教育を行うケースもありますが、モラルだけで考えると誤解が生じる可能性もあるので、法的な視点で教育するようにしています。
著作権については、「べからず教育」になりがちですが、そもそもなぜ著作権があるのか、という正当化根拠を理解してもらい、その上で、自由に利用できる場面もたくさんあることを伝えられるよう意識しています。
私の授業を受けている学生には「教育著作権検定」を紹介しています。何か資格が欲しい、受けたいとの声も多くある中、検定試験を受験すれば、その結果が記録に残り、それをもって教員採用試験受験の際には、大きなアピールポイントになると思います。また検定受験を目標とすることで、授業へのモチベーションに大きく影響する点は大きいと思います。
今後も希望する学生には、受験を勧めていきたいと思います。
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