アクセス解析とは、「ユーザーのアクセス履歴からWebサイトの閲覧状況を分析すること」を指します。
今回はアクセス解析で分析できる内容と、実施の上で大切なポイントについて解説します。
目次
1.アクセス解析で分かることは?
アクセス解析は、サイト内でどのような人がどのように行動しているかが分析の対象です。アクセス解析を活用すれば、主にWebサイトにアクセスした人の「行動」と「属性」を定量的に分析できます。
以下では、具体的にどのような行動と属性が分かるのかについてご紹介します。
1-1.ページビュー・ユニークユーザー数
アクセス解析を実施すると、Webページごとの閲覧数と訪れた人の数が分かります。
閲覧数はページビュー数(PV数)とも呼ばれ、運営するサイトが何度閲覧されたかを示します。
PV数が大きいほど集客規模が大きいため、どの記事が人気か分析することが可能です。
訪問者数はユニークユーザー数(UU数)と呼ばれ、記事が何人に閲覧されたかが分かります。同じ人が複数回閲覧した場合、PV数はその度にカウントされますが、UU数は「1人分」とカウントされ、訴求範囲の広さを分析できます。
1-2.アクセス経路
閲覧者がどのような経路で自社サイトにアクセスしたかを知ることもできます。
GoogleやYahooの検索からアクセスした人、Web広告からアクセスした人、他のWebサイトやSNS投稿のリンクからアクセスした人などがどのくらい居たかを知ることで、アクセス数をさらに増やす施策を考えることに役立ちます。
また広告の場合は、掲載したものが、どのブログやサイトが高い集客効果を持つか判明すれば、効果的に広告の出稿先を絞り込めるため、費用の効率化が可能です。似た行動特性を持つ新規顧客の獲得にもつながるため、流入経路の分析は有効な手法といえます。
1-3.使用デバイス
パソコン・スマートフォン・タブレットなど、どのような機器を通してアクセスしているかが分かります。
使用デバイスの比率が分かることで、仕事中の情報収集でアクセスする人が多いのか、プライベートの時間にアクセスする人が多いのかなど、分析する目安が得られます。
また、「使用デバイス」と「コンバージョン率」等の指標を組み合わせて分析することで、PC用サイト・スマートフォン用サイトそれぞれのUI(ユーザー・インターフェース)・UX(ユーザー・エクスペリエンス)改善に役立ちます。例えば、PCユーザーのコンバージョン率が高い一方でスマートフォンユーザーのコンバージョン率が低い場合、スマートフォン用サイトのコンバージョン誘導に問題がある可能性が考えられます。
1-4.検索キーワード
記事の閲覧者がどのような単語の組み合わせを用いて検索し、自社サイトページにたどり着いたかが分かります。
検索キーワードを分析することで、効率よいSEO対策が可能です。
閲覧者が知りたい内容は何なのかが分かれば、今後作成するコンテンツを閲覧者のニーズに合わせて決定できます。
2.アクセス解析を利用する目的
アクセス解析の利用目的は大きく分けて「サイトの現状把握・ユーザーの行動分析・施策の効果測定」です。
以下ではこうしたアクセス解析を活用する3つの利用目的について解説します。
2-1.Webサイトの現状を知る
Webサイトの現状を理解すれば、問題や改善点を把握できます。例えば、PV数・UU数が多いページは、閲覧者のニーズにマッチした人気コンテンツであることが分かります。また、1ページ目を見た人が次にどのページに遷移したかを解析すれば、どこのリンクがよくクリックされているかが判別でき、ページレイアウトの検証に役立ちます。
2-2.ユーザーを知る
アクセス解析では、どのようなユーザーがサイトを訪れているのか・購買につながっているのかを知ることができます。アクセス解析ツールでは、アクセスしたユーザーの年齢・性別・接続元地域・アクセスのリピート率などの情報を取得できます。Webサイトを制作する上で設定したペルソナとずれが生じている場合は、サイト構成やデザインなどの修正を検討するきっかけにもなります。アクセス解析を使ってユーザーについて深堀りすることで、自社の顧客のペルソナを理解することにも役立ちます。
2-3.施策の成果を測る
アクセス解析を用いれば、コンテンツ内容やキャンペーン・広告などの施策が、意図した通りの結果を出せているかを検証できます。
何が成功・失敗の要因なのか、PV数やCVRなどの数字を手掛かりに分析可能です。
そのため、顧客の反応や集客効果を定量的に把握できるというメリットがあります。
アクセス解析は次につなげられるフィードバックとして利用できるデータを提供できるといえます。
3.アクセス解析で大切なポイント4つ
アクセス解析で有用な情報を得られても、正しくデータ分析ができないと正確な検証ができません。
以下では、アクセス解析で得られる指標を分析する際に気を付けるポイント4点の紹介をします。
3-1.データの比較
施策の効果を測定するときは、期間ごとにデータを区切って比較しましょう。
データ比較の際に気を付けたいポイントとして、「週次・月次・年次ごとの長期間データで比較すること」が挙げられます。
前日や前の週などとの比較では、データの変動が「施策の効果によるもの」なのか、「施策とは関係のない[曜日ごとのユーザー行動の傾向]や[季節の特性]等の外部要因によるもの」なのか、分析するのが困難です。
数か月規模の長期的にまとめたデータと比較することで、アクセス解析の結果に説得力を持たせられます。
3-2.アクセス数が多いページの確認
解析を通してアクセス数の多いページを把握しておきましょう。アクセス数が多いページは、イコール集客効果が高いページです。サイトの集客に貢献しているページを把握し、サイト全体の構造・導線を最適化したり、アクセス数を稼ぎやすいページの特徴を知ったりすることで、同様のページを増やしていきましょう。
3-3.外的要因を考慮
ニュースや流行、世情が市場に与える影響を考慮して分析を行いましょう。例えば夏休みやクリスマスなど、季節のイベントがユーザーの行動に影響する場合があります。
アクセス解析データへの外部要因の影響に気づけないと、施策の成果を誤って捉えてしまうおそれがあります。また、自社の市場に及ぼす影響の大きい外部要因を正確に把握しておくことで、その外部要因を活かしたキャンペーン等施策を計画することもできます。したがって、アクセス解析から得られるデータだけでなく、ニュースやSNSなどからの情報収集を常に心がけ、市場に影響を及ぼす外部要因を把握しておくことが大切です。
3-4.数字だけで判断しない
アクセス解析から得られる定量データを分析するだけでなく、定性面の分析も必要です。
アクセス解析でクリック数が少ないと分かっても、Webサイトの内容に問題があるとは限りません。
例えば、「アクセスする場所が分かりづらい」、「クリックボタンがブラウザに対応していない」などの構造面の原因でアクセスを阻害されている可能性があります。
ユーザー志向のサイト作りを意識し、充実したユーザー体験を提供しましょう。
4.Googleの提供するアクセス解析ツール
アクセス解析を実施する場合、解析ツールの活用がおすすめです。
以下では、無料で使えるGoogleのアクセス解析ツールを2つご紹介します。
4-1.Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは無料プランでも充実した機能を利用できます。
アクセス解析をしたいWebページのソースコード内にGoogle Analyticsが指定するトラッキングコードを埋め込むことで、閲覧者の行動特性やユーザー属性を解析可能です。
この記事で述べたような解析機能はほとんど利用可能で、世界中で使われているデファクト・スタンダードともいえるツールです。
4-2.Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Google検索からのWebサイトへのアクセスについて、さまざまな情報が得られるツールです。検索キーワードごとのページ表示数・クリック数や、そのキーワードで検索した際のそのページの表示順位などのほか、「ページがGoogle検索にインデックス登録されているか」「ページに改善すべき技術的な問題がないか」などの情報も提供されます。Google Analyticsと連携すると、それぞれのツールで得られるデータを組み合わせ、さらに便利に活用できます。
5.まとめ
近年、あらゆる業種でデジタル技術を活用したマーケティングがますます一般化し、アクセス解析をはじめとしたWebマーケティング関連の知識・スキルを持つ人材のニーズは高まり続けています。
マーケティング関連の職種へのキャリアチェンジを考えている方や、自社で新しくWebマーケティングに力を入れたいと考えている方には、「ネットマーケティング検定」をおすすめします。
デジタル技術を活用したマーケティングは、求められる知識が非常に幅広く、また日進月歩で新しくなっていきます。これからこの分野について学びたいという人には、「どこから手を付けたらよいか......」というお悩みがつきものです。
「ネットマーケティング検定」を学習の一つの目標に設定し、受験対策という形で学習することで、Webマーケティングの基本的な知識・スキルを一通り体系的に身に付けることができます。
また、すでにマーケティング業務に取り組んでいる方でも、ご自身の業務範囲に知識・スキルが特化しがちではありませんか?より広くWebマーケティング全般について改めて学びたいという方にも、ネットマーケティング検定をおすすめします。