SEOとリスティング広告はどちらも、検索エンジン上でのマーケティング手法です。SEOとリスティング広告では、どちらも性質が違うため、それぞれの特徴を理解する必要があります。ここでは、SEOとリスティングの特徴・メリット・デメリットを紹介します。
1.SEOの特性を5つ紹介
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略称です。日本語で「検索エンジンの最適化」を意味します。いわゆる、検索エンジンでトップに表示することをいいます。ここでは、SEOがどのような特性をもつか5つの観点からご説明いたします。
1-1.SEOは即効性が少ない
SEOに即効性はほとんどありません。なぜなら、検索エンジンの仕組み上、SEOの反映までに、複数のステップを踏むからです。反映に時間を要し、さらに、Web上には膨大なサイト数があるため、上位に表示されるまでに時間がかかるのはやむを得ないと言えます。
特に検索エンジンからのアクセス数が少ないサイトだと、SEOの効果が出るまでに時間がかかります。しっかりとした取り組みを行っても最短でも3ヶ月以上は必要です。また新しく立ち上げたサイトでは、SEOでやることが多く、サイトによっては効果が出るまで長期的な時間を要します。
1-2.SEOはクリック率が伸びやすい
SEOを行うと、サイトに訪れたユーザーにより、クリック率が上がります。クリック率(CTR)とは、広告やコンテンツが表示された際に、何回クリックされたかの割合を表す指標です。SEO対策では、まずクリック率1.5%を目標にするとよいでしょう。SEOを継続的に行うことで、上位に表示されやすくなり、クリック率が上がります。クリック率が上がることで、そのサイトの認知度も上がり、顧客の獲得などに繋がります。
1-3.SEOの費用はサービス内容による
SEO対策をお願いする場合、内容により費用は月額10万円〜100万円前後かかります。サイト数が多ければ多いほど、費用は上がります。相場では、コンサルティング会社の場合月額10〜50万円程度、サイト設計からでは10万〜100万円以上費用が発生します。また、SEOの仕様上、アクセスアップのために記事を修正・作成しなければいけません。SEOに強いライティングをお願いすると、1記事5万円前後かかります。
1-4.SEOは長期運用に向いている
SEOは前述にあるように、即効性はありません。検索エンジンの仕組み上、SEOの反映には複数のステップを踏むため、時間がかかります。ですが、長期に運用することで、初期段階ではアクセス数アップにつながらなくても、継続的な運用により、充実したコンテンツが増加します。それにより、検索エンジンからの評価も上がり、検索結果で上位に上がってきます。広告掲載と違い、広告をストップしたため、流入が止まることはありません。
1-5.SEOのターゲットは潜在層
潜在層とは、特定のジャンルへの興味はあるものの、欲しい商品が具体化できてなく、見込み顧客になる可能性がある層のことです。潜在層は、まだ商品やサービスを認識する前です。例えば、ニキビで悩んでいる方が「ニキビを治す方法を知りたい」と考えてる時点が、潜在層です。この段階では、まだどこの薬を購入するか決まっておらず、ニキビを治したいという状況です。例えばあなたが薬品会社だった場合、この段階でどのように自社の薬を認識してもらうかで、購入者が見込み顧客になるのか決まります。
2.リスティング広告の特性を5つ紹介
検索エンジンで検索した際に、検索結果の上位に「広告」と記載されているサイトが表示されたことがあるのではないでしょうか。これがリスティング広告です。リスティング広告とは、ユーザーの検索キーワードに連動して、上位に表示します。表示しただけでは費用はかかりません。ユーザーがクリックすると費用が発生します。
2-1.リスティング広告は即効性がある
リスティング広告はSEOに比べると、かなり即効性が高いと言えます。ユーザーの検索キーワードに連携して上位に表示されるので、キーワードを絞ることでターゲットを限定することができます。そのため、興味を示しているユーザーの目にとまりやすいです。「広告」と表示はされますが、検索結果のフォーマットと似ているため、ユーザーが求める商品やサービスが提案されることで、購入意欲のあるユーザーは興味を示し、リスティング広告をクリックします。
2-2.リスティング広告はクリック率が低い
リスティング広告は検索結果より上部に表示されるため、比較的に目に留まるポジションに広告を打てます。しかし、人間の心理的に広告を避けてしまう傾向があるのでクリック率はあまり良くありません。アメリカのWordStream社によると、Googleリスティング広告の平均クリック率は3.17%です。キーワードにもよりますが、クリック率が高いとは言い難い結果です。
2-3.リスティング広告の費用は安い
リスティング広告は、クリック数に応じて費用を支払います。掲載最低単価はオークションで決定します。入札額の順位が高いほど優先して広告が表示されます。掲載費用をかけることができるのであれば、決まったキーワードでさらに、上位にも表示が可能です。
人気のキーワードは多くの企業が入札するため、1クリックの費用も高くなります。自社の商品名(サービス名)などキーワードを絞って掲載することで、購買意欲の低いユーザーに表示されることが回避でき、広告費用を抑えることが可能です。
2-4.リスティング広告は短期運用に向いている
リスティング広告は即効性があるため短期運用に向いています。キーワードを絞ることで購買意欲の高いユーザーをターゲットに広告の表示ができます。
しかし、人間の心理的に、広告を飛ばして検索結果を見るため、印象には残りにくいです。
また、広告を止めてしまうと、自社サイトへの流入が減る場合もあります。長期で検索結果の上部に表示したいのであれば、費用を費やし続ける必要があります。
2-5.リスティンク広告のターゲットは顕在層
顕在層とは、自社の商品やサービスに興味関心があり、潜在層よりも具体的な検索キーワードを使用します。例えば、ニキビに悩んでる方の場合「ニキビ 予防」「ニキビ 洗顔」など、他にも、ブランド名や商品名を入れて検索を行います。また、過去に自社サイトを訪れたユーザーも顕在層に含まれます。
リスティング広告は、地域を限定して広告の表示ができるため、地域限定での施策などを行う場合に使いやすいです。
3.SEOとリスティング広告のメリット・デメリットを紹介
SEOはコストをかけずに長期的に運用し、クリック数を徐々に伸ばすことができます。それに対しリスティング広告は、費用設定によれば、上位に表示することが可能です。両方のメリット・デメリットを理解して運用していくことが重要です。
3-1.SEOはクリック率に強く即効性に弱い
SEOは長期的に運用し、クリックを徐々に増やすことができます。さらに、リスティング広告と違い、上位に表示されると継続的に表示されやすいです。デメリットとしてSEOの知識や分析、手間がかかります。専門性知識がない場合は、プロにお願いすると費用が発生します。SEOは修正してから反映まで、最低でも3ヶ月を要するので検索上位に表示するまで時間がかかります。SEO対策を行ったからといって必ずしも上位表示ができる保証はありません。
3-2.リスティング広告は費用面に強く長期運用に弱い
リスティング広告は短期広告であれば、費用は抑えられます。さらに、検索キーワードや広告表示地域を設定できます。そのため、顕在層をターゲットにするとクリック数も上がり、興味関心の高いユーザーへのアプローチが可能です。
デメリットとして、長期的に広告を表示すると、キーワードによってクリック単価が変わりますが、費用が大きくなります。さらに、広告を止めることで、自社サイトへの流入が減ってしまう場合もあります。
3-3.SEOとリスティングを併用する方法がある
SEOとリスティング広告は相性が良いため、併用することがおすすめです。SEOは、反映されるまで時間がかかるため、即効性のあるリスティング広告で短期的な施策を行うことをおすすめします。リスティング広告は、キーワードを絞ることで、ターゲットを絞ります。
運用することで、運用データが得られ、ユーザーの反応がわかります。この結果がSEOにも活かせます。どのキーワードが反応いいのかを分析し、キーワード対策のできるSEOコンテンツの作成を行うことで、SEOの成果にもつながりやすいです。
4.SEOとリスティング広告の長所・短所を知り使い分ける
Webプロモーションを実施するためには、Webプロモーションに関する知識を身につけるだけではなくスキルの習得や、必要なスキルを持った人材の獲得が必要です。Webプロモーションに必要なスキルとは、情報分析・リサーチ能力やWebサイトの構築能力、コミュニケーション能力です。ここからは、それぞれの能力について詳しく解説します。
長所 | 短所 | |
---|---|---|
SEO (ターゲット:潜在層) |
・掲載費用が無料 ・クリック率が高い ・外部要因の影響を受けづらい |
・長期運用である ・コントロール性が低い ・対策を行ったからといって、必ず上位に表示される保証がない ・メンテナンス費用がかかる |
リスティング広告 (ターゲット:顕在層) |
・即効性がある ・コントロール性が高い ・キーワードを絞れるので、ター ゲットが狙いやすい ・掲載時間・地域の指定が可能 |
・掲載費用が必要 ・クリック率が低い ・外部要因の影響を受けやすい |
SEOやリスティング広告は検索エンジン上でのマーケティングです。上記の通り、両方の長所や短所をしっかり理解し、目的・ターゲットにあった使い分けがおすすめです。
5.まとめ
今回はSEOとリスティングの違いについてまとめました。
Webマーケティングに関連した職業に就きたい場合は、基本的なWebマーケティングの知識はもちろん、資格を取得することも体系的な知識習得に有効です。
ネットマーケティング検定で、Webプロモーション関連の知識や実践的なスキルを習得しましょう。