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公式テキスト著者コラム

2018/05/14第2回 AIブーム今昔

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 人の「考える」といった知的な機能を搭載した技術「AI(ARTIFICIAL INTELLIGENCE)」により、世の中が大きな変化を迎えようとしています。
 今や、AIや人工知能といったキーワードを聞かない日はないように思えますが、それは、それほどこの技術が世間に浸透しつつあるからでしょう。
 今回は、過去に何度か発生した「人工知能ブーム」について紹介したいと思います。



 1957年、米国の心理学者フランク・ローゼンブラット(Frank Rosenblatt)は「パーセプトロン(Perceptron)」を考案しました。パーセプトロンとは視覚と脳の機能をモデル化してパターン認識を行うものであり、ネットワーク化により学習能力を持たせる事ができる機能です。これが1960年代に第一次人工知能ブームを巻き起こしました。
 しかし、当時としては画期的だったパーセプトロンも、マービン・ミンスキー(Marvin Minsky)によって線形分離可能なものしか学習出来ない脆弱性を証明され、その後人工知能研究は下火となってしまいました。
 以後、第二次人工知能ブーム時の1986年、デビッド・ラメルハートとジェフリー・ヒントン、ロナルド・ウィリアムズらが、D.E.Rumelhart, G.E.Hinton, R.J.Williams, "Learning representations by back-propagating errors". Nature 323 (6088): 533-536において多層ANNにおける出力誤差の発散問題を回避するバックプロパゲーション・アルゴリズムを提唱した際に脚光を浴びましたが、膨大な計算時間がかかる事がネックとなり、多くの研究社がANN研究を諦めていったのです。
 こうした閉塞的状況を打破したのが、この10年ほどの間、ゲーム市場のニーズにより、全く別の目的のために開発され続けてきたハイエンドのGPU(Graphical Processing Units)の登場です。
 そもそも従来使われていたCPU(Central Processing Unit)はアーキテクチャ上、少数のコアから構成されており、そのため同時に実行可能なスレッドも少数に限定されてしまうものでした。
 しかしGPUは、3DCG処理をリアルタイムに行なう等のヘビーな設計要件から、シェーディング等の定型処理に特化したプログラマブルな演算ユニットを多数搭載しており、同時に実行可能なスレッド数は数千に達します。アーキテクチャ上、GPUは ニューラルネットの大規模計算を実装する目的に適していたのです。
 これらの開発者や研究者らの目覚ましい研究成果を見たGoogle社は、2014年、ジェフリー・ヒントンら及びその共同研究者たちを軒並ヘッドハンティングし、彼等の研究成果を自社のサービスに取り込んで、無人自家用車を完成させました。
 現在はまさに「第三次AIブーム」と言っても過言ではありません。
 今後も、技術革新によるテクノロジーの発展に期待をせずにはいられないでしょう。

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