皆さんは、Unityをご存じでしょうか。
Unityはユニティ・テクノロジーズ(日本法人はユニティテクノロジーズジャパン合同会社)が開発した統合開発環境が内蔵されたゲームエンジンです。アプリケーションの開発は主にC#で行われ、モバイルやWebへの出力が可能となるマルチプラットフォーム機能が有名です。
また、ゲームを作る場合、ゲーム内で使用するモンスターやパーティクルなどの素材が必要となりますが、Unityではそのような素材や部品の配布・販売をしているアセットストアが存在し、デザインに自信がないプログラマでも、それなりにクオリティが高い作品を作成している事例があります。
これを読んでいる皆さんの中にも、Unityを用いて作られたゲームをプレイしたり、Unityでの開発経験がある方がいるかもしれません。
ゲームエンジンとして知られているUnityですが、実はその用途はゲームだけにとどまらず、医療、輸送機器、建築、映像、教育、ファッション等様々な分野で応用されています。
例えば、医療の分野ではUnityの技術を用いた3D人体解剖アプリが開発されています。これは、生きた人間の骨格が、筋肉の中でどのように動いているのかを3Dビジュアルで再現するアプリであり、医療業界のみならず、教育にも活用されています。また、Unityの技術を使用して、脳外科医の執刀を支援するアプリも開発されています。これを用いることにより、患者の脳の様子を3Dで示し、さまざまな角度からぐるぐる回しながら確認することが可能になりました。
さらに自動車や輸送機器の分野では、VR を用いた車のデザインや技術の開発により、ユーザーが、まだ存在しない車を体験して自動運転のトレーニングを行い、車内環境を体験することができるようになりました。
また、意外なことに、Unityのテクノロジーを使用した、防災への活用事例も報告されています。
例えば、災害が起きたとき、人はどのような行動をとるのかが可視化して分かる避難シミュレーターが開発されています。従来のシミュレーターとの差異は、データが三次元化されていたり、例えば火事が起こったという想定であれば煙の動きを追加するなどといった、よりリアリティのある点です。災害といった大惨事への備えとして、この恐怖感や緊迫感の伴ったアプリケーションはとても役立ちそうです。
今回はUnityを使用したゲーミング分野以外への応用事例を紹介しました。テクノロジーの進歩に伴い、今後も様々な分野への展開が期待できると言えるでしょう。
【参考ページ】
車と物流のための Unity
https://unity.com/ja/solutions/automotive-transportation
ゲーム嫌いも知っておきたい3D CG/VRのエンタープライズ活用事例~Unity Solution Conference 2014まとめ
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1412/25/news056.html