今回のコラムでは、DMPについて取り上げます。DMPとは「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」の略であり、インターネット上に蓄積された様々な情報データを一元管理し、分析するプラットフォームを指します。ここでいうデータとは、例えば、自社サイト上でのユーザーの行動ログやインターネット上のユーザーのサイト閲覧履歴、購買履歴など、マーケティング活動を有利に進めるためのものです。
DMPには自社が保有するデータを活用する「プライベートDMP」と、自社以外のユーザーデータを活用する「パブリックDMP」の2種類があります。プライベートDMPとは、自社サイト内でのユーザーのサイト閲覧、広告配信、店舗での購買履歴など、自社で集められるデータをマーケティングに活用するものです。一方、パブリックDMPとは、第三者が提供する自社サイト以外のユーザーの属性、サイトの閲覧情報、SNSなどの外部データをマーケティングに活用するものです。
DMPを活用するメリットは、
・これまで別々に管理されてきた膨大なデータを分析することにより、新たな課題の発見につながる。
・Webサイトや広告など別々のチャネルで行われてきた施策を一元管理することで、今までできなかった精度の高いマーケティングが可能になる。
・性別や年齢などのユーザーの属性を加味することで、LPO(ランディングページ最適化)と組み合わせたマーケティングも可能になるなど、より多角的で細かな施策を行うことができる。
などが挙げられます。
続いて、DMPの活用事例として、「株式会社KADOKAWA」と「株式会社カネボウ化粧品」の2つの事例を紹介します。
書籍の出版事業などを行う株式会社KADOKAWAは、自社で運営するWeb媒体で月間18億PVを超えるトラフィックがあり、大量の顧客データが蓄積されていました。しかし、サイトに訪れるユーザー情報(具体的にはCookie情報と属性情報)が紐づいていなかったため、どんなユーザーがいるのかが把握できていないという課題がありました。そこで、DMP「Arm Treasure Data」を導入して、3rd party data(自社データやパートナーデータ以外の、いわゆる第三者が提供するデータ)を活用し、Cookie情報から類推した顧客の属性情報の可視化を進めることで、新たなニーズの発見や商品開発の推進が可能となりました。
化粧品の開発や販売事業を手掛ける「株式会社カネボウ化粧品」は、複数のブランドを保有していますが、そのブランドごとにマーケティング施策が異なるため、ブランド同士を横断したデータの活用がうまくいかないといった課題がありました。そこで、プライベートDMP「MOTHER」とパブリックDMPを組み合わせることにより、各種ブランドを横断したデータの共有や活用が可能になりました。
DMPは、今まで別々のところで管理されていた情報を一元化するため、データを扱う上での責任の所在を整備することや、よりセキュリティ意識をしっかりと持つなどの課題はありますが、データの収集と分析において、今後ますます利活用されることが予測されます。
【参考ページ】
DMP構築の3つの成功事例|成果を出すための戦略と活用のポイント
https://moltsinc.co.jp/data-utilization/7428
DMPとは|仕組みと特徴を図解・導入時の5つのポイントと活用事例&ツール比較12選
https://boxil.jp/mag/a2751/
カネボウ化粧品がフリークアウトのプライベートDMP「MOTHER」を導入、全ブランドで横断的に活用
https://www.exchangewire.jp/2014/09/12/news-freakout-dmp/
いまさら聞けない「DMP」とは?~基礎知識編~
https://www.innovation.co.jp/urumo/dmp/