今回のコラムのテーマはデジタルインセンティブです。デジタルインセンティブとは、販売促進活動で利用されるデジタルコンテンツのことです。元々はパソコンの壁紙やスクリーンセーバー、携帯電話の待ち受け画面の画像などを配布するキャンペーンが一般的でしたが、近年はスマートフォンの普及やコロナ禍におけるデジタルマーケティングの拡大によって、インセンティブの内容も多様化しています。
例えば、コンビニなどで、ペットボトルの飲料水に「LINEポイント20ptプレゼント」といったシールが貼られているのを見たことはないでしょうか。これは、「LINEポイントインセンティブ」というデジタルインセンティブの一つで、商品を購入した人がシールに掲載されているQRコードを読み取り、販売元のサイトにアクセスすることで、LINEポイントが付与されるといったものになります。
以下に、主なデジタルインセンティブの種類と事例、メリットとデメリットを紹介します。
〇 主なデジタルインセンティブの種類、事例
・電子マネー・デジタルギフト券
電子マネーは現金を、デジタルギフト券は商品券をデジタル化したものです。サービスへのユーザー登録やアンケートの回答などの報酬として、抽選形式や先着限定形式でよく利用されます。Amazonギフト券やQuoカードPayなどが有名です。
・デジタルクーポン
インターネットを介して送られる特典付きのクーポンです。例えば、LINEで企業やブランドの公式アカウントをフォローすると、オンラインショップで使えるデジタルクーポンが付与されるといったキャンペーンがあります。
・ポイント付与
プロモーション動画の閲覧や商品の購入行動に対する報酬として、ポイントが付与されるインセンティブです。サービスを利用して貯められるポイントは、買い物に利用することができ、顧客満足度を高めたり、乗り換えを防ぐ効果があります。
・デジタルコンテンツ
ゲーム業界や教育業界に多く、ゲーム内限定コンテンツを取得するためのギフトコードを配布したり、教育教材の特典としてeBookやPDFを配布したりします。例えば、ある書籍を購入した人を対象に、期間限定でメールマガジンに登録することで、購入した書籍の別冊がPDFでもらえるといったキャンペーンなどがあります。
・限定スタンプ
SNSなどで利用できる限定のスタンプは根強い人気を保っています。ブランドのLINE公式アカウントに登録した報酬として用いられるLINEスタンプなどがあります。
〇 デジタルインセンティブのメリットとデメリット
デジタルインセンティブの大きなメリットは配布するインセンティブがデジタルコンテンツであり、実物ではないことです。実物ではないことによって下記にあげるような様々なメリットが発生します。
・配送の費用が不要である。
・在庫を抱えるリスクがない。
・メールアドレスのみで運用できるなど、個人情報に関する漏洩リスクが少ない。
・スピーディーに展開可能であるため、SNSとの相性がいい。
逆にデジタルコンテンツであることによるデメリットとしては下記のようなものがあげられます。
・IT機器やデジタルコンテンツに不慣れな世代には訴求しにくい。
・実物と比べると、インセンティブに企業の特性が出しにくい。
デジタルインセンティブは多くの場合、従来の実物を配布する方法に比べると低コストでスピーディーに導入することができ、ユーザー側も手軽に利用することができます。
そのため、自社のサービスやプロモーションを幅広く訴求することができる有効な手法といえます。訴求したいユーザー層の特徴や傾向を分析し、インセンティブの内容を考えることでより効果を発揮するでしょう。
【参考ページ】
LINE for Business『おまけで購買意欲を刺激する「LINEポイントインセンティブ」を活用した販促キャンペーン』
https://www.linebiz.com/jp/case-study/asahiinryo-02
VISA 『デジタルインセンティブとは?種類やメリット・デメリットと活用方法』
https://www.vvgift.jp/biz/blog/i0003
MarkeTRUNK 『デジタルインセンティブとは?事例と活用のポイントについて』
https://www.profuture.co.jp/mk/column/6892
NOVEZO『コロナ禍のプロモーションに!人気ノベルティ「デジタルインセンティブ」とは?【ノベルティ会議】』
https://novezo.jp/feature/1898