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2022.9.27 Access

【記事】Accessを使って効率的にデータベースを管理する

ビジネススピードが速まる昨今、各種データをビジネスに活用することが、ますます重要になっています。データを活用するためには、データベースの効率的な管理が欠かせません。Accessは、データベースの管理を得意とするソフトです。

この記事では、Excelとの比較やAccessの基本的な仕組みについて解説します。

目次

1.データベースの役割

データベースとは情報の集まりです。
ただし、単に情報が集まっているだけではなく、検索やデータの蓄積・保存が容易にできるように整理されている必要があります。

具体的なデータベースの具体的な活用例には、企業の顧客管理システムや生産管理システムなどが挙げられます。
たとえば顧客管理システムでは、顧客の氏名や住所、電話番号や購入商品などの情報をデータベースに整理しておくことで、必要に応じて抽出、検索できるようになります。
データベースは企業活動のさまざまな分野で活用されています。

1-1.(一例)データを加工・印刷できる

Accessを使えば、データの加工や印刷が容易にできます。
データ同士をつなぎ合わせて、新たな表を作成することも可能です。

印刷の際には、事前に用意された項目や形式を選ぶだけで、簡単にレイアウトの作成ができるように設計されています。

2.Accessは小規模なデータベースの管理に最適

Accessはマイクロソフト社のデータベース管理ソフトです。
Accessが扱うデータベースは、「リレーショナルデータベース」と呼ばれる、情報を関連付けて保存し、簡単に抽出できる方式のデータベースです。

Accessでは複雑なプログラム操作を必要とせず、小規模なシステムであれば短時間で構築できます。
なぜなら、システムを作成する上での基本的なパーツが揃っており、データベース管理に有用な機能が組み込まれているためです。

また、テンプレートが豊富に用意されていることも特徴です。
テンプレートを使えば、最初からすべてを作り上げる必要がなく、初心者でも簡単にデータベースの管理ができます。
Accessでは住所や顧客、販売や在庫の管理システムなど、主に簡易なシステムの作成が可能です。

3.Excelと比較したAccessの利点

データ管理用のソフトとしては、Excelも選択肢のひとつです。
AccessとExcelではデータを格納した際の見た目が似ているため、違いが分かりづらいかもしれません。
ここでは、Excelと比較したAccessの利点をご紹介します。

3-1.データの最大数制限がない

Accessは、2GBまでのデータであれば、行数・列数・文字数に制限がありません。
Excelでは行数・列数・セルごとの文字数に制限があり、大量のデータを保存したい場合には制限を超える可能性があります。
Accessであれば、必要なデータを一括で蓄積し、保存が可能です。
ただし、2GBの容量制限があるため、制限を超えるような大規模なデータベースの構築には向きません。

3-2.厳密にデータ管理ができる

Accessでは、指定したデータ型以外のデータが入力できないよう制限をかけることができ、データベースを整った状態に保つことができます。
データ型とは、テキストや数値、日付や価格など、そのデータが何を表すかの規定です。
事前に入力可能なデータ型を指定し、誤ったデータが入力されたらエラーを表示させることで、ミスを防ぐことができます。
Excelでは、基本的にセルへの自由なデータ入力が可能で、たとえば数値を入力するはずの列にも文字列など他のデータを入力できてしまいます。厳密には「データの入力規則」機能等を使って制限をかけることもできますが、やや複雑な操作が必要です。
自由な形式でのデータ入力が可能になっていることで、集計結果や関数の結果に問題が起こる可能性があります。

Accessであれば厳密なデータ管理が可能で、ミスを起こしにくい仕組みの構築ができます。

3-3.複数人で使用しやすい

Accessは複数人でも使いやすいソフトです。

元になるデータと入力フォームや印刷する際のデータが、それぞれ独立しています。
そのため、担当者や用途にあわせて入力がしやすいよう、画面や印刷物のカスタマイズが可能です。

また、用途にあわせて情報を選んで表示することもできます。
個人情報データを、管理している特定の人物にだけ表示したり、権限にあわせて表示データを変えたりすることも可能です。

一方、Excelでは基本的に管理するデータ部分を直接編集します。そのため、複数人で使用すると規則性のないデータになったり、必要なデータを他の人が消してしまったりする可能性があります。

Accessを使えば、必要な情報や権限のある情報だけにアクセスできるように、アクセス制限や編集制御をかけることができます。

4.Accessを使ったデータベースの作成方法

この章では、Accessを使ったデータベース作成の方法を解説します。

4-1.テンプレートを使う場合

Accessには多くのテンプレートが用意されています。
用途にあったテンプレートを使えば、データベース作成にかかる手間を軽減できます。

自分が扱いやすいよう、テンプレートをカスタマイズすることも可能です。
作りたい内容に近いテンプレートを探して、自分仕様にカスタマイズしましょう。

Accessを起動すると、ホーム画面が表示されます。
新規(①)にある、空のデータベース以外はテンプレートです。
用途にあったテンプレートが新規の欄に見当たらない場合は、その他のテンプレート(②)をクリックして、他のテンプレートを探します。

用途にあったテンプレートがあればそれを選択します。
ここでは、Northwindテンプレートを選択しました。

4-2.空のデータベースを使う場合

用途にあったテンプレートがない場合は、空のデータベースを使います。

既存のテンプレートを使用すると、使用しないオブジェクトを削除する手間がかかるため、Accessでのデータベース作成に慣れたら、テンプレートをカスタマイズするよりも、空のデータベースを使う方が早いこともあるでしょう。

テンプレートを用いない場合、Accessを起動し、ホーム画面を表示したら、空のデータベース(①)を選択します。

4-3.データベースを保存する

ホーム画面でテンプレートか空のデータベースを選択すると、保存画面が表示されます。

①はデータベースを保存する場所です。
変更する場合は、②をクリックして、保存するフォルダを選びましょう。

ファイル名(③)に名称を入力し、作成(④)をクリックするとデータベースの保存が完了します。

Accessでは、Excelと違い、最初にファイルを保存してから情報を入力する必要があります。

5.Accessを構成する4つのオブジェクト

ファイルを保存できたら、データベースの中身を作成します。
Accessを構成する主な「オブジェクト」を4つご紹介します。

5-1.①テーブル|基本のオブジェクト

「テーブル」は、データを蓄積して保存する、Accessの基本となるオブジェクトです。
見た目はExcelの表に似ています。

1件分のデータを「レコード」(①)と呼びます。
Excelの列にあたる各項目が「フィールド」(②)、上部にある各項目名は「フィールド名」(③)と呼ばれます。

空のデータベースからファイルを作ると、空のテーブルが「テーブル1(①)」として作られます。
フィールド名(②)の部分をクリックすると、フィールド名を変更できます。

テーブルのデータは、直接入力する以外に、Excelやテキストデータからインポートすることもできます。

テーブルは情報ごとに分類し、個々に作成すると後で利用しやすくなります。
なぜなら、後ほどご紹介するクエリを使えば、データ同士を紐づけできるからです。

テーブルを作るコツが分からないときは、テンプレートを開いて内容を参考にするとよいでしょう。

5-1-1.(一例)デザインビューで詳細を設定する

オブジェクトの詳細設定をする場合は、デザインビューを使うと便利です。

「フィールド(①)」タブの「表示(②)」をクリックし「デザインビュー(③)」を選びます。

デザインビューでは、フィールド名やデータ型(①)をまとめて設定できます。

データ型は、入力するデータにあわせて決定してください。
たとえば、発注日であれば「日付/時刻型」を選ぶとよいでしょう。
「日付/時刻型」を選ぶと、日付以外のデータは入力できず、エラーとなります。
そのため、誤ったデータの入力を防ぐことが可能です。

5-2.②クエリ|情報を抽出・加工する

「クエリ」は、テーブルデータの抽出や並べ替え、集計などができるオブジェクトです。
テーブルを横に並べてつなげたり、選択肢からフィールドを選んだりと、分かりやすいビジュアルで設計されています。

たとえば、発注データから特定の日や取引先のデータだけを抽出する際などに使用します。
また、データの抽出だけでなく、データの追加・削除・更新(変更)・新規テーブル作成・テーブル削除などの機能が充実しています。

最初から作ることが難しい場合は、クエリウィザードを利用すると便利です。
クエリウィザードを使って作ったクエリを参考に、用途に応じてカスタマイズしていけば、作成時間を短縮できるでしょう。

5-3.③フォーム|用途に応じてカスタマイズする

「フォーム」はデータベースの操作画面です。
用途に応じて確認可能な情報のカスタマイズができるため、複数の部署で同じデータベースを利用する際に便利です。
たとえば、総務部門と経理部門では必要な情報が異なります。
それぞれの部門にあわせたフォームを作成すれば、不要なデータにアクセスすることがありません。ミスの起こりにくいデータベースの構築が可能です。

また、フォームウィザードを利用すれば、選択肢を選ぶだけでさまざまなフォームが作成できます。

5-4.④レポート|さまざまなレイアウトで印刷する

「レポート」は、印刷用のレイアウトを決めるオブジェクトです。

必要な情報だけを抽出して、項目を見やすい順番に並べ替えられます。

レポートウィザードを使えば、チュートリアルに従って簡単にレポートの作成が可能です。
たとえば、同じ住所録(①)のデータから、住所リスト(②)と宛名ラベル(③)の印刷物を作成できます。

5-5.マクロやモジュールで作業を自動化

「マクロ」と「モジュール」は、処理の自動化に役立ちます。

マクロは選択方式で扱いやすく、Accessの基本的な動作を一通り作ることができます。
たとえば、「フォームを開く」「クエリを実行する」「メッセージを表示する」などの自動処理が可能です。

モジュールは、プログラミング言語を使う必要がありますが、マクロよりも複雑な指示が可能です。
条件によって異なる自動処理を行う場合に活用できます。

6.Accessで日常業務の効率をあげよう

Accessには便利なテンプレートや、ウィザード機能が充実しています。
そのため、比較的簡単にデータベースを作成、運用できる便利なソフトです。

Accessを活用すれば、複数の人や、部署をまたぐ情報の活用をスマートにできます。
日常業務の困りごと・面倒なことを、Accessを使って効率的に解決しましょう。

サーティファイでは、Accessの認定試験を行っています。
実務に即した内容で、学んだ内容は資格取得後も役立ちます。

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