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久保田裕の著作権コラム

委員長プロフィール 久保田 裕

  • 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 専務理事
  • 山口大学特命教授
  • 公益社団法人著作権情報センター 理事
  • 特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会 理事
  • 特定非営利活動法人 ブロードバンドスクール協会 情報モラル担当理事

「現代のビジネスシーンにおいては、著作権の知識は不可欠である」という命題に異論を唱える方はいないでしょうか。ただし、これまではその意味を「うっかり他人の著作権を侵害しないために著作権の知識を身につけるべき」との、どちらかというと「防御」の観点で説明されてきた印象を受けます。
しかし、著作権は守りのツールではありません。より積極的に攻めのツールとして活用すべきものなのです。魅力ある著作権物(コンテンツ)は時を超え、国境を越えて愛され続けます。そのコンテンツから利益を生み出し、剽窃から守る源こそ著作権なのです。著作権を正しく理解し、適切な契約を関係者と結び、デジタルコンテンツならば適切なDRM(著作権管理技術)を選択して流通させることが重要です。
一方で、著作権は著作物を生み出さない立場であっても重要な知識です。例えば、各種イベントのために外部のデザイナーが創作した「キャラクター」を利用しようとした場合に、利用方法を踏まえた契約を締結することが担当者には求めされていますし、契約の範囲を超えた利用をしていないかを判断できなければなりません。また、昨今盛んになっている「地域のブランド化」を支える「地域コンテンツ」も、その土台は著作権が中心となります。

■ サーティファイ委員長コラム Vol.38

ここ数年ニュースで盛んに報じられてきたTPP(環太平洋パートナーシップ)協定は昨年10月に大筋合意し、今年2月、ニュージーランドで署名式が行われました。TPP協定については農業分野への影響が最大関心事として報道されていましたが、著作権法も改正が必要となっています。TPP協定の承認案と関連法案は3月8日に閣議決定されました。著作権法の改正点は5つありますが、主要なものを紹介します。

まずは著作権の保護期間の変更です。現在、個人の場合は著作者の死後50年までですね。これが70年になります。団体名義の保護期間も50年だったものが70年に。実演家とレコード製作者の著作隣接権の保護期間も70年になります。

もう一つ大きな変更点は、著作権等侵害罪の一部に非親告罪が導入される点です。現在は、著作権等の侵害で刑事起訴するためには著作権者が告訴する必要があります。これを親告罪といいます。これが、①対価を得る目的又は権利者の利益を害する目的で、②有償で公衆に提供・提示されている著作物等(有償著作物等)について原作のまま譲渡・公衆送信・複製を行うことで、③著作権者の利益を害する、侵害行為については、著作権者の告訴が不要になります。市販されている小説やマンガの海賊版を販売したり、映画作品をネットにアップする行為が想定されます。

順調に審議が進めば、著作権法も今国会で改正となりますが、施行日はTPP協定の発効日とされていますので、検定の対策としては現在の著作権法の学習で十分です。ただし、著作権の知識をビジネスで活用していくためには、法改正を踏まえて知識のアップデートが必要になりますので、TPP関連のニュースには目を光らせておく必要があるでしょう。

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