コラムの趣旨
ネットマーケティング検定公式テキストの著者による情報コラムです。
公式テキストでは紹介しきれないインターネットマーケティングに関する最新のトピックスについて、情報や解説などをお届けします。
本試験の事例問題でも取り上げられることの多い、インターネットビジネスの最前線について、マーケティングの視点から掘り下げていきたいと思いますので、ご参考になれば幸いです。
著者プロフィール
藤井 裕之(フジイ ヒロユキ)
ネットマーケティング検定公式テキスト[インターネットマーケティング基礎編]著者。株式会社ワールドエンブレム代表取締役。1998年、早稲田大学卒業後、三菱電機株式会社入社。火力発電所プラントの海外輸出部門に所属。2006年、独立しICTコンサルティング会社(現ワールドエンブレム株式会社)を設立。インターネットマーケティング、システム開発、Web開発、セキュリティ監査、IT統制、ITガバナンス等の事業を展開。会社経営の傍らロースクール夜間部を卒業(法務博士)。2010年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ代表取締役に就任。
第35回 A/Bテストとは何か
今回のコラムでは被リンク対策について取り上げます。
今回のコラムでは、A/Bテストについて取り上げます。
A/Bテストとはインターネットマーケティングの施策の1つであり、AパターンとBパターンの2つを比較し、どちらがコンバージョン達成に最適かを検証するものです。A/Bテストでテストされる項目は、『レイアウト』、『キャッチコピ―』、『価格』、『ボタンの配置』、『文言』、『ターゲット』、『ペルソナ』、『商品写真などの素材』など様々です。
A/Bテストを行う際に重要となるのが、項目は1つずつ検証するということです。
例えばキャッチコピーを検証するのであれば、キャッチコピーのみを変更する、『ボタンの配置』を検証するのであればボタンの配置のみを変更して検証する、といった具合です。
以下にA/Bテストを用いた事例をご紹介します。
アメリカ発のエンジニア・アーキテクチャソフトウェアの販売会社であるAutodeskは、日本版サイトのテキストについて、英語サイトを直訳しただけのパターン(バージョンA)と、日本人のオーディエンス向けに翻訳を工夫したサイト(バージョンB)の2パターンで、1か月間テストを行いました。結果、バージョンBが大差をつけて優位性を示しました。直接的に翻訳しただけのバージョンAと比べて、CVR(コンバージョン率)は123%(信頼区間:95%)も改善されたようです。
続いてご紹介する事例は、A/Bテストに関して最も有名な事例かもしれません。
アメリカのオバマ元大統領は、選挙活動の際、自身の公式サイトでA/Bテストを用いてサイト改善を行い、140%の成果改善を達成しました。このときのコンバージョンは、SIGN UPボタンを押してもらいメール会員の登録をしてもらうことでした。そこで、メインビジュアルを6パターン(画像3パターン、動画3パターン)、コンバージョンボタンを4パターン用意し、それぞれどの組み合わせで効果があったかを調査しました。結果、家族と写っているメインビジュアルで、コンバージョンボタンが「LEARN MORE(もっと詳しく)」に設定されたサイトが最適だと判断されました。
A/Bテストツールとしては、「Google オプティマイズ」、「Optimizely」、「SiTest」、「Kaizen Platform」などがあげられます。特に、Googleが提供する無料ツール「Googleオプティマイズ」は Googleアナリティクスと連携しており、HTMLやCSSに関する知識があまりなくてもテストを実行できるといった特徴があります。
【参考ページ】
【ABテスト事例】オーディエンスへの説明の工夫でCVRは上がる?
https://dlpo.jp/blog/behave-audience-tailored-contents.php
あの大統領も140%の成果改善。アメリカ大統領とA/Bテストの意外な関係
https://juicer.cc/articles/archives/1273/
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