「現代のビジネスシーンにおいては、著作権の知識は不可欠である」という命題に異論を唱える方はいないでしょうか。ただし、これまではその意味を「うっかり他人の著作権を侵害しないために著作権の知識を身につけるべき」との、どちらかというと「防御」の観点で説明されてきた印象を受けます。
しかし、著作権は守りのツールではありません。より積極的に攻めのツールとして活用すべきものなのです。魅力ある著作権物(コンテンツ)は時を超え、国境を越えて愛され続けます。そのコンテンツから利益を生み出し、剽窃から守る源こそ著作権なのです。著作権を正しく理解し、適切な契約を関係者と結び、デジタルコンテンツならば適切なDRM(著作権管理技術)を選択して流通させることが重要です。
一方で、著作権は著作物を生み出さない立場であっても重要な知識です。例えば、各種イベントのために外部のデザイナーが創作した「キャラクター」を利用しようとした場合に、利用方法を踏まえた契約を締結することが担当者には求めされていますし、契約の範囲を超えた利用をしていないかを判断できなければなりません。また、昨今盛んになっている「地域のブランド化」を支える「地域コンテンツ」も、その土台は著作権が中心となります。
第34回公開試験が終わりました。合格基準は初級が65%以上で、上級が70%以上です。受験された皆さんは、検定の手応えはいかがだったでしょうか。
今回の試験が終わり、自己採点や復習はされましたか? ビジネス著作権検定試験のサイト上に、6月10日から17日にかけて正答が掲載されるので、ぜひ採点してみてください。間違ったところを公式テキストなどで確認し、正しい知識を身に付けることで、著作権の知識が確実なものとなっていきます。
今回、初級に合格した方は、次はぜひ上級にもチャレンジしてください。上級試験は初級に比べると少々難しくなりますが、上級を突破できる力が身につけば、著作権をビジネスにより活かすことができるでしょう。
もちろん、検定合格はゴールではありません。ビジネス著作権検定の名前のとおり、この検定で得た知識はぜひビジネスの場で活用して欲しいと期待しています。そして職場の仲間や後輩にビジネス著作権検定を広めてください。これから社会に出る学生のみなさんにとっては、就職活動の場で、著作権を勉強していることが大きなアピールポイントとなるでしょう。
そして、これからも、著作権に関連するニュースや法改正情報を追いかけていただき、知識のアップデートを欠かさずにお願いします。知識は、みなさんの人生の役に立ってくれる――。私はそう考えています。
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